船員労働科学研究所は、神戸マリナーズ厚生会病院の船員向け産業医サービスに毎月会合して、アドバイスを行っています。
船員向け産業医サービスのご紹介
2023年に変わります。船員の労働安全体制に産業医が活躍します
船員の長年の課題あった労働安全衛生が改善される、新しい船員の労働安全体制が、来年(2023年4月)から始まります。船員は陸上と同じようにスマホでストレスチェックを受けて、長時間働いたときや高ストレスのときには産業医と遠隔で面談することができます。船社は、健康診断の結果や、職場の状況をみて集団分析や船の巡視を、船や船員に理解のある産業医が職場の改善をアドバイスしていきます。遠隔でも対応するために全国すべての船社に対応いたします。同時に遠隔診療も整備していきます。船にいながら自分の都合の良い時間に医者とスマホやPCで遠隔診察できて、オンラインで服薬指導をして、薬を港や事務所に送ることもできます。私たちは船員に特化した産業医サービスの構築をしてきました。ご一読の上、ご検討を頂けましたら幸いです。
久宗 周二 神奈川大学 教授 (国土交通省 船員の健康確保に関する検討会座長)
石井 泰介 神戸マリナーズ厚生会病院 産業医
〇船員向け産業医サービスの経緯
Ⅰ.新しい船員の健康確保の概要
船員法111条報告では、船員は陸上に比べて労働災害が4 倍多くなっています。また、船員の疾病発生は0.81%と、陸上0.41%と比較して高くなっています。そして、メタボリックシンドローム該当者の割合が27.3%であり、生活習慣病による死亡の割合が高くなっています。
国土交通省では船員の働き方改革の取組の一環として、2019年 9 月に陸上の労働者の健康管理や産業医学の専門家、関係労使団体等を委員とする「船員の健康確保に関する検討会」を開催しました。そして、内航船員の健康確保対策に関する具体的な制度設計について議論を行い、2020年10月19日に「船員の健康確保に向けて」を公表しました。
① 産業医の安全衛生委員会に関与(遠隔での実施も環境が整えば可能)
② 年一度以上の産業医の船舶の巡視(遠隔で実施も可能)
③ 長時間労働対策(時間外月80時間以上相当)医師の面接指導(遠隔での実施も環境が整えば可能)
④ ストレス対策 年に一度ストレスチェックを行う。高ストレス者は申し出に応じて医師と面接、職場の改善をする。(遠隔での実施も環境が整えば可能)
⑤ 使用者が船員法の健康検査や健康診断等の結果の記録を保存する。
Ⅱ.課題を解決する受け入れ態勢の構築
「船員の健康確保に関する検討会」で議論を深める中で、複数の課題が現場から上がってきました。これらの課題を解決するために、海上医学に理解のある神戸マリナーズ厚生会病院と船社と試行して、遠隔(オンライン)中心の産業医サービスの提供を行うことにいたしました。
現場からの課題 |
当院の対応案 |
陸上の産業医は船を理解していない |
海上医学や船舶への関心が高い産業医が主体的に、船員向けの安全衛生の指導、船員向けストレスチェックを使用します。 |
だれに頼めば良いのかわからない |
遠隔で全国の船社に対応 |
高い費用は払えない |
月額3万円+ストレスチェック(500円/人)のプラン等を提供 |
仕事が忙しくて人員を割けない |
原則年に一度のストレスチェック(スマホまたは紙)をセットとして提供し、事務的なやり取りもIT化で負担を少なくします。 |
どのようにすれば良いかわからない |
安全衛生委員会の手順等をサポートします。 |
(産業医以外の課題) 船員はなかなか通院できない |
船員の遠隔による診察、協力薬局による遠隔による服薬指導、発送等の健康保険適用の遠隔診療サービス |
〇神戸マリナーズ厚生会病院 船員向け産業医サービスのご案内
※船員労働安全衛生の産業医サービスを提供する機関の一つとして御案内いたします。
2023年4月より実施される国土交通省の規則改正に伴い、当院では久宗周二神奈川大学教授(船員の健康確保に関する検討会座長)の監修のもと国土交通省と相談などして、船員に特化した船員向け産業医サービスを実施いたします。基本は遠隔(オンライン)で行うため、全国の船社を対象にしております。
1.サービス内容
① 安全衛生委員会の産業医のアドバイス
健康診断の結果の分析、ストレスチェックの集団分析、職場巡視、ストレスチェックの結果等の遠隔による面談、電話、メールで連絡します。安全や衛生の資料を提供するとともに、久宗周二神奈川大学教授の監修のもと、国土交通省の推進するWIB(船員向け自主改善活動)の専門家より船内での活動の推進、アドバイスも受けられます。
※WIBの指導を対面で実施をする場合は別途必要がかかります。
② オンラインによる船舶の巡視 ※施行後は年に一度実施
原則神戸市または伊勢市では対面で巡視します。その他は、遠隔で巡視します。数社の内航船で実施しました。任意の日時で、最低一隻選び、1~2時間巡視を行います。
③ Webによる船員向けストレスチェック実施 ※ 施行後は年に一度実施義務
船員向けストレスチェックとして(一財)海技振興センター作成の「船員のメンタルヘルスに関するアンケート」をWeb(または紙)で実施して、結果は個人ごとにメールで送られます。集団分析結果はマリナーズ病院の産業医がオンラインでの安全衛生委員会で話し合いを行います。船員のストレスチェックは、当院から(合)船員労働科学研究所へ業務委託をします。英語版、インドネシア語版も用意しています。
また、PCやスマホ、メールが使えない場合は、紙で提供、事務局に返送することも可能です。
④ 高ストレス者、長時間労働者の産業医との面談
希望する船員は、日時を専用Webサイトまたは電話、メールにて当院に連絡して面談を
受けることができます。希望する船員は、日時を専用Webサイトまたは電話、メールにて当院に連絡して面談を受け
ることができます。
2.料金体系 ※ すべて消費税込
〇 ベーシック(スタンダード)サービス 月3万円(年36万円) ★
健康診断の結果の分析、ストレスの集団分析、船舶の巡視については産業医がオンラインより参加します。
また、安全衛生状況について、電話、メールでアドバイスを行います。
高ストレス者、長時間労働者の面談費用は年60分までサービスに含まれます。翌年度に繰り越はしません。
※60分を超えた場合は、別途請求(15,000円/30分 30分単位切り上げ)します。
なお、船員のストレスチェックは、別途費用が必要です。料金 スマホ、PC版:500円/人 郵便:800円/人
※外国船員と産業医の面談では、別途通訳費用がかかることがあります。
◎ スーペリア(フル)サービス 月7万円 (年84万円) ★★
健康診断の結果の分析、ストレスの集団分析、巡視等オンラインより参加します。
また、安全衛生状況について、電話、メールでアドバイスを行います。
高ストレス者、長時間労働者の面談費用は年720分までサービスに含まれます。翌年度に繰り越はしません。
720分を超えた場合は、別途請求(15,000円/30分 30分単位切り上げ)致します。
船員のストレスチェックは、別途費用が必要です。 料金 スマホ、PC版500円/人 郵便:800円/人
スーペリア(フル)サービスをご契約、運用いただくと、会社のホームページ、人材募集
広告等に表示して、労働安全衛生に力を入れていることを明示することができます。
※外国船員と産業医の面談では、別途通訳費用がかかることがあります。
病院の紹介
1925年に財団法人近藤記念厚生会が、船員の為の福利厚生を目的として神戸市に「郵船布引病院」を設立したのが始まりです。「一般財団法人 神戸マリナーズ厚生会 神戸マリナーズ厚生会病院」は昭和47年に建築された「神戸海岸病院」と平成17年から系列病院となった「神戸マリナーズ厚生会病院」が平成22年5月1日に統合移転を行った199床(一般83床 療養53床 回復期リハビリテーション病棟27床 障害者病棟36床)の中規模病院です。
基本理念の一つに、「船員及びその家族と地域住民の健康増進、医療援護、海上労働医学の調査研究及び広報事業に貢献します。」として神戸運輸監理部や近畿運輸局等と連携して商船船員や、兵庫県や徳島県の漁業者の無料健康診断を行ってきました。
神戸マリナーズ厚生会病院船員向け産業医サービスの特徴
①~④が産業医サービスです。⑤、⑥はオプションになります。
① 船員の健康を目的にした病院です。
1925年に財団法人近藤記念厚生会が、船員の為の福利厚生を目的として「郵船布引病院」を設立したのが始まりです。2004年には財団法人名称を「神戸マリナーズ厚生会」へ改めると共に、船員の医療に尽力してまいりました。
② 船に関心があり、船員生活を理解している産業医が主体的に取り組みます。
中心となる産業医は、船や船員に関心を持ち、内航船の巡視等で経験を積んでいます。健康増進やストレス低減の研究成果をまとめた当院の小冊子を提供いたします。 国土交通省の推進するWIB(船員向け自主改善活動)の専門家より船内での活動の推進、アドバイスも受けられます。
③ 数社の商船と産業医サービスを試行しました。
現在までにフェリー、貨物、タンカー、自動車運搬船等8社の船社とサービスを行い、 国土交通省のアドバイスを受けながら巡視や船員に特化したストレスチェック等の仕組みやシステムの改善を行い、実績に基づいたサービスを提供いたします。
④ 現場のニーズを踏まえた多彩な料金体系
オンラインで実施することにより、リーズナブルな価格を設定しています。
また、船社のニーズに対応して2種類のフレキシブルな料金体系を構築しました
当院の取り組みは、水産経済新聞に特集で紹介されています。
(2021年2月24日、2022年2月22日)
内容の問い合わせ、社会実験のお申込みは下記までお願いいたします。
一般財団法人 神戸マリナーズ厚生会 神戸マリナーズ厚生会病院 病院長 宛
病院 078-351-2225(代) 担当 中野
兵庫県神戸市中央区中山手通7丁目3番18号
https://www.kobe-mariners.or.j
Eメール nakano.i@kobe-mariners.or.jp
お申し込みは、のQRコードからまたは リンク(Google Form)から、簡単に24時間お申し込みいただけます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe72OgCBk4KCieXMRJJ_wh6-amiiQK-XrCVUM3EJWu6id3Z3Q/viewform
FAX 078-351-2226
産業医船員労働安全衛生サービス申込用紙
一般財団法人 神戸マリナーズ厚生会 神戸マリナーズ厚生会病院 病院長 殿
貴院の個人情報の取り扱い方針に同意の上、下記内容で産業医船員労働安全衛生
サービスに申し込みます。
※事務局記載欄(下記には記入しないようお願いします)
|
|